印刷をする際、色(インキ)をつける部分と、つけない部分が出てきます。
その際、従来のオフセット印刷機「水あり印刷」では、印刷工程で水に化学物質を添加した湿し水を使用してインキを弾きますが、「水なし印刷」では、印刷工程では湿し水を用いず、シリコンゴム層がその代わりの働きをします。
「水なし印刷」は環境に優しく、品質の高い印刷が可能な新しい印刷技術です。
「水あり印刷」は、大量の湿し水を消費しなければ印刷することができません。使用している湿し水はBOD値*¹の高いH液*²やIPA(イソプロピレンアルコール)*³など有害物質を含んだもので、環境及び人体にに悪影響を与えます。
一方「水なし印刷」では、湿し水などそれら有害物質を使わずに印刷することが可能で、廃液が出ることが無いクリーンな印刷技術です。
※1 「生物化学的酵素要求量」。水中の有機物が、微生物によって一定時間内に酸化分解されるときに必要な酵素量を表すもので、有機物による水の汚れを示す指標として使用されます。
※2 湿し水に添加する印刷力を引き上げる薬品。H液にはバクテリアの餌となる有機物質がふんだんに含まれている。
※3 揮発性有機化合物の一種でシックハウスの要因になるなど、人体に悪影響を及ぼす恐れがあります。
両印刷方法の階層比較。
(清英堂印刷パンフレット抜粋)
「水あり印刷」では、印刷のアミ点*¹がインキのにじみと、紙の凸凹によって変形し、ぼやけた印象になりますが、「水なし印刷」では、印刷のアミ点が湿し水を使わないのでにじまず、点のひとつひとつがくっきりと再現され、高精細な美しい仕上がりの印刷物が得られます。水なし印刷ならではの網点、線画の再現力が高精細な品質を保証されます。
※1 オフセット印刷は、小さな点の集まりです。この点をアミ点と呼び、その大小で色の濃さを表現しています。
両印刷方法のアミ点比較例。
(清英堂印刷パンフレット抜粋)
精英堂印刷では、特に品質の良さこだわり「水なし印刷」を導入しました。
「水なし印刷」は温度、湿度により印刷の質に影響が出るので、簡単に導入できる技術ではなく、導入しているのは全国で約160社ほどです。その中でも、パッケージの印刷をしているのは全国で精英堂印刷と数社だけという高い技術力を持っています。
近年、インターネットなどの電子媒体と印刷媒体で広報分野でのシェア争いが激しくなっています。電子媒体に対抗するために、これからはお客様に喜んで頂ける付加価値のあるパッケージづくりを目指しています。すぐに捨てられてしまうような商品を作る目先の利益だけを追わずに、捨てるのが勿体ない位、高品質で美しい商品を作れるように努力していきます。
今回、説明して頂いた生産本部副部長の渡部茂さん。
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